らびっとわぁるど(浜田山)
「人間の愛を知ったうさぎの幸せな顔。一度それを見たら、うさぎと離れられなくなりますよ」
心地よい静けさと、うさぎの食む草の匂いに満ちた店内で、優しくうさぎを抱き上げる中山ますみさん。生体やエサの販売からつめ切りまで、うさぎに関するあらゆるサービスを提供する“うさぎ専門店”の2代目店主だ。
「飼い主さんの啓蒙も重視していて、カウンセリングや緊急時の指導も行います。専門店の中でも、コアな存在かもしれませんね」今でこそ言葉の端々からうさぎ愛があふれているが、もとからうさぎ好きだったわけではない。
「父がお店を始めたのが約20年前。当時はうさぎに関する正しい情報が少なく、うさぎと向き合い、観察する中で自分流のノウハウを確立したんです。次第にうさぎの野生的な気高さや賢さに惹かれ、お店を継ぎました」声帯も表情筋も持たないうさぎの気持ちは、ボディランゲージから読み取るしかないという。
「例えば話を聞いているときは耳を動かすし、甘えたいときは鼻先で人間をつつく。そんな“うさ語”の解説もしています。人間とうさぎ、異種間同士の共同生活が難しいのは当たり前。だからこそ、互いが幸せになれるようお手伝いしたいんです」確かに、中山さんの腕の中のうさぎは幸せそう。思わずうさぎとの生活を夢想してしまった。
中山さんの相棒で、お店のマスコット的存在の「桃ちゃん」。
つやつや、ふわふわの毛並みに癒やされる。